愛犬の病気のひとつに肝臓の病気があります。その原因の一つとして、ドッグフードの原料や栄養価があげられています。
モグワンドッグフードと肝臓病の関係について、ちょっと詳しく調べてみましたので、モグワンドッグフードを迷われている方の参考になればと思います。
結論としては、健康時には最適ですが、肝臓病が進行した場合は、たんぱく質が過剰になる、です。
1.犬の肝臓病とは何か
肝臓の役割と重要性
肝臓は体内の化学反応工場とも言われ、数多くの重要な機能を担っています。まず、代謝活動において、食物から摂取された栄養素を分解し、体内で利用可能なエネルギーや栄養素へ変換します。これにより、犬の体は正常に成長し、エネルギーを得ることができます。
また、肝臓は有害な物質や老廃物の排除にも重要な役割を果たします。毒素や余分な物質を分解し、尿や胆汁を通じて体外に排出することで、体内を浄化し、健康を維持します。
さらに、肝臓は血液の保存と調節にも関与しており、必要に応じて栄養素や酸素を血液に供給し、体内の均衡を維持します。また、凝固因子の産生も行い、出血を制御する役割を果たします。
犬の肝臓病の定義と症状
犬の肝臓病は、肝臓に様々な損傷や障害が生じ、その正常な機能が影響を受ける疾患の総称です。肝臓は体内で多くの重要な役割を果たすため、その機能が妨げられると症状が現れます。
肝臓病の症状は多岐にわたり、病状の進行度によって異なりますが、一般的な症状には以下のようなものがあります。
- 食欲不振や体重減少がみられます。
- 体力が低下し、活発さを欠きます。
- 毛並みがくすんだり、皮膚の問題が生じることもあります。
- 尿や便の色や量に変化が見られ、黄疸(黄色の目や口の中)が現れることもあります。
- 中枢神経系に影響を与え、行動の変化や精神状態の不安定さも観察されます。
最も重要なのは、これらの症状が進行すると、肝不全などの合併症が生じ、犬の生命に危険を及ぼす可能性があることです。
犬の肝臓病は多くの原因によって引き起こされ、早期発見と適切な治療が重要です。獣医師の診断とケアが不可欠であり、症状の早期警戒が犬の健康を守るために不可欠です。
2.肝臓病の原因とは?
犬の肝臓病の原因は多岐にわたり、様々な要因が組み合わさることがあります。以下に、肝臓病の主な原因をまとめます。
- 遺伝的要因: 一部の犬種は遺伝的な肝臓の異常を持つことがあり、これが肝臓病の原因となることがあります。例えば、カーニーターラ症候群などが知られています。
- 感染症: ウイルス、細菌、寄生虫などによる感染症は、肝臓にダメージを与える可能性があります。例えば、肝炎ウイルスや肝吸虫が肝臓病の原因となります。
- 中毒: 毒物の摂取は肝臓に深刻な損傷を与える可能性があります。食べ物、薬物、植物、化学物質などが原因となります。特に犬の場合、アルコールや人間の薬物の摂取は危険です。
- 栄養不良: 過度の栄養不良や栄養過多が肝臓に負担をかけ、肝臓脂肪浸潤や肝臓シャントの形成などを引き起こすことがあります。
- 炎症: 慢性的な炎症疾患や自己免疫疾患が肝臓に影響を与え、炎症性肝臓病を引き起こすことがあります。
- 脂肪蓄積: 肥満や過度の脂肪摂取により、肝臓に脂肪が蓄積し、脂肪肝と呼ばれる状態が発生することがあります。この状態が進行すると、肝臓炎症や線状瘤の発症につながる可能性があります。
- 腫瘍: 肝臓に腫瘍ができることも肝臓病の一因です。腫瘍が肝臓の正常な組織を圧迫したり、機能を妨げたりすることがあります。
- 薬物と薬剤: 特定の薬物や薬剤が肝臓に有害な影響を与えることがあります。特に長期間にわたる薬物の使用や過剰摂取は注意が必要です。
肝臓病の原因は多岐にわたり、予防や管理には獣医師の指導が不可欠です。早期の診断と適切な治療が重要であり、肝臓の健康をサポートするためにはバランスの取れた食事や定期的な健康チェックが必要です。
3.食事と肝臓病の関連性
食事と肝臓病の関連性は非常に重要であり、肝臓の健康に影響を与える要因の一つです。以下に、食事と肝臓病の関連性について説明します。
- 栄養摂取と肝臓機能: 肝臓は食べ物から摂取された栄養素を処理し、体内でエネルギーや代謝産物を生成します。特にタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養素は、肝臓の正常な機能に欠かせない要素です。不適切な栄養摂取は肝臓の健康に悪影響を与える可能性があります。
- 脂肪摂取と脂肪肝: 過度の脂肪摂取や肥満は脂肪肝の原因となります。脂肪肝は肝臓に脂肪が蓄積する状態で、これが進行すると肝臓損傷や肝臓炎症を引き起こす可能性があります。
- たんぱく質とアミノ酸: タンパク質は肝臓で代謝され、アミノ酸として体内に供給されます。適切なタンパク質摂取は肝臓機能をサポートし、タンパク質欠乏は肝臓の機能低下につながる可能性があります。
- ビタミンとミネラル: ビタミンやミネラルの不足は、肝臓機能に影響を与える可能性があります。例えば、ビタミンBと葉酸は肝臓で重要な役割を果たし、その不足は肝臓損傷を引き起こすことがあります。
- 毒物と有害物質: 食品中の毒物や有害物質は、摂取すると肝臓に負担をかける可能性があります。アルコールや一部の薬物も肝臓に損傷を与え、肝臓病の原因となります。
- 特別な食事療法: 一部の肝臓病患者には特別な食事療法が必要です。これは、タンパク質や塩分の制限、特定の栄養素の増加などを含むもので、肝臓の負担を軽減し、回復をサポートする役割を果たします。
総括すると、食事は肝臓病の発症と進行に大きな影響を与える要因であり、バランスの取れた食事と栄養摂取が肝臓の健康を保つために重要です。肝臓病の場合、獣医師の指導を受けながら、特別な食事療法や栄養摂取に注意を払うことが不可欠です。
4. ドッグフードの成分と肝臓の健康への影響
ドッグフードの成分は犬の肝臓の健康に大きな影響を与える要因です。以下に、主要なドッグフードの成分と肝臓への影響をまとめます。
- タンパク質:
- 役割: タンパク質は肝臓の機能に不可欠であり、アミノ酸を供給し、タンパク質合成に必要です。
- 影響: 適切なタンパク質摂取は肝臓の健康を維持しますが、過剰なタンパク質は肝臓への負担となります。
- 脂肪:
- 役割: 脂肪はエネルギー源として利用され、脂溶性ビタミンの吸収を支援します。
- 影響: 過度の脂肪摂取は脂肪肝の原因となり、肝臓機能を妨げる可能性があります。
- 炭水化物:
- 役割: 炭水化物はエネルギー源として利用され、血糖値の調節に関与します。
- 影響: 適度な炭水化物摂取は肝臓への負担を軽減しますが、高炭水化物の食事が肥満を引き起こすことがあり、これは脂肪肝につながる可能性があります。
- ビタミンとミネラル:
- 役割: ビタミンとミネラルは肝臓機能に不可欠であり、特にビタミンB群は肝臓の代謝に関与します。
- 影響: 不足した場合、肝臓の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 添加物と保存料:
- 影響: 人工的な添加物や保存料が含まれるドッグフードは、過敏症反応やアレルギーを引き起こすことがあり、肝臓への負担となる可能性があります。
総括すると、バランスの取れた栄養素が含まれたドッグフードは、肝臓の健康をサポートし、肝臓病のリスクを軽減します。しかし、過剰な栄養素摂取や添加物の過多は肝臓に負担をかけることがあるため、ドッグフードの選択には注意が必要です。犬の個別の健康状態やニーズに合った食事プランを獣医師と相談しながら考えることが大切です。
6.肝臓ケアと、モグワンドッグフードでの栄養比較
それでは、実際にモグワンと、一般的な肝臓ケア食(hills、ロイヤルカナン)、療養用ケア食(ハッピードッグ、ベッツソリューション)の5点で比較してみました。
タンパク質は栄養摂取という意味では23%以上が好ましいのですが、あまり高すぎるとかえって肝臓に悪いです。炭水化物と脂肪はもちろん低めがよいとおもいますが、カロリーをしっかり摂取できることが必要です。
フード | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | ビタミン ミネラル |
保存料 添加物 |
モグワンドッグフード | 27%以上 | 10%以上 | 39% | ◎ | ◎ |
hills プリスクリプション・ダイエット 肝臓ケア | 14.5%以上 | 20.5%以上 | 40%以上 | 〇 | 〇 |
ロイヤルカナン 犬用 肝臓サポート | 14.0 %以上 | 14.0%以上 | 45%以上 | ◎ | △ |
HAPPY DOGVET ヘパティック (肝臓ケア) | 19.5 %以上 | 14.0%以上 | 51.0% | ◎ | ◎ |
Vet Solutionドッグフード 肝臓サポート | 16.0%以上 | 16.0%以上 | 45% | 〇 | ◎ |
モグワンドッグフードはタンパク質が通常のわんちゃんであれば問題ありませんが、肝臓ケア、という意味ではちょっと高めに思います。
脂肪も少ない分、カロリーも低くなりますので、どうしても量が必要になります。
また、ロイヤルカナン、hillsに関しては、たんぱく質が低すぎなのと、カロリーを補うために脂質が多すぎるのが気になります。
その点、療養食としてのハッピードッグとベッツソリューションはかなりバランスの良い食事ではないでしょうか。添加物にも気を使っているのがわかります。
5.モグワンドッグフードの肝臓病への影響のまとめ
モグワンの肝臓への負担という点の結論から言えば、
- 肝臓に問題のないワンちゃんにはモグワンは最適なフード
- 肝臓を悪くしたワンちゃんにとっては、ちょっとたんぱく質成分が多すぎる
というところでしょうか。
また市販品での肝臓ケア商品はやはり値段の関係もあってそこまでしっかりと作られて否ようにも思いますが、高価な療養食になるとやはり非常にバランスの良いフードに仕上がっている、という印象です。
参考になりましたでしょうか。
まずは、ワンちゃんの健康維持のために、高齢になる前や病気になる前にしっかりとしたフードをあげることが大事だとおもいます!
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